大安の不成就日。

ほぼペライチで気になったテーマのアウトプットをします。超遅筆ですが大目に見ていただけると幸いです。

ダイヤモンドを用いた半導体とは? (……の予定でした)

2023年8月20日 日曜日
今日は(そんなに珍しくないですが)選日が特にない日でした.一点破線です.


 今回のテーマは「パワー半導体」についてですが,きっかけは以前(と言っても春先なのでだいぶ経過してしまいましたが)参加したセミナーでした.ちなみに前回の冶金関係のものとは別です.
 ある方が,ダイヤモンドを用いた半導体についての質問をしたのですが,講演者の方の専門とは異なる分野になってしまったようでした.この時,質問者以外の参加者も発言することはできたのですが,具体的な回答は得られませんでした.
 そのあと,思いっきり後悔しました.理由は言うまでもありません.自分は知ったかぶりでもある程度は説明できるはずだったからです.
 というわけで,この場を借りて,大雑把ではありますが,説明させていただきたいと思います.


※とは言いましたが,今回は特に自信がありません.説明がぶつ切りになったり,コピペしただけになっている部分が非常に多いです.また,内容についても,誤りや勘違いが特に多いことが予想されます.
そして,毎度申し上げておりますが,記述内容の著作権は基本的に参考文献のものを優先します.もう一度言いますが,今回はとくに参考文献のほうを確認することを強く勧めさせていただきます.


パワー半導体・パワーデバイス・ワイドバンドギャップ半導体とは

まず,用語解説から始めさせていただきます.


パワー半導体 / パワーデバイス

 別々のものとして扱う場合もあるようですが,ここでは同一とさせていただきます.
 電力の変換・制御を行っている半導体の総称です.送電などの電力分野,新幹線など電気鉄道分野のモーター,ビルシステムなど産業分野,ハイブリッド車・燃料電池車・電気自動車など自動車分野のモーター,このほか家電分野情報・通信分野などに用いられています.
 電気を効率的に使うために必要なので,搭載製品の省エネ性能を左右するそうです.特に家電製品では,電気の周波数を変えてモーターの回転を最適に制御するインバータなどに用いられています.


パワー半導体に求められる性能

 電気抵抗による損失が少ない,高周波数に対応できる高速性,高電圧でも使用できる高破壊耐圧量などが要求されます.


エネルギーバンドギャップが大きいと,


  • リークが発生しにくく高温動作が可能
  • 絶縁破壊電圧が高く高電圧でも使用可能
  • 高周波動作が可能で高変換効率化
  • 熱伝導率が高く放熱器も小型化できる

といったメリットがあります.


ワイドバンドギャップ半導体

 そもそも,物質には電気を通す「導体」と,電気を通さない「絶縁体」とがあり,半導体はその中間の性質を備えた物質を指します.


 電流を生じる電子やホールが価電子帯 (図の網掛け部分) から伝導帯 (白抜き部分) に遷移 = 持ち上げるために必要なエネルギーをバンドギャップといいます.ここが広い = 電気を通しにくい物質がパワー半導体に求められています.
 一般的な半導体に使われるケイ素 Si 半導体よりエネルギーが大きい半導体をワイドバンドギャップ半導体と位置付けることが多いようです.
 ワイドバンドギャップ半導体として多く使われている素材には,シリコンカーバイド SiC窒化ガリウム GaN などが挙げられます.


なぜダイヤモンドなのか?

 ようやく本題です.


 まず,バンドギャップが SiC や GaN より十分に広いことが挙げられます.
 次に,電子やホールを生じさせたp 型半導体n 型半導体の作成も可能です.
 そして,その物性は,高温動作や高電圧,高速化を実現可能な値を示しています.
 このため究極のパワーデバイス材料とも言われるそうです.



まとめを終えて
 本当なら,最初の質問のきっかけになった,ダイヤモンドでできた半導体のニュースについても触れたかったのですが,使用許諾等の兼ね合いから割愛しました.今回は著作権より本文に自信がないことのほうが大きいです.
 そして何より,専門用語について,特にバンドギャップについては別途,解説記事を上げようと思っています.皆さんに事前知識がある前提で描いてしまうと,こんなにわかりにくくなるだなんて思っていませんでした.


次回の更新は9月1日(金)または9月13日(水)を予定しています.内容は未定です.おそらくこれまでに予告したテーマのどれかになるとは思います.



2023年10月17日 追記

  • 一部,体裁を修正しました.

2024年2月9日 追記

  • 外部リンクを修正しました.
  • 体裁を一部修正しました.




参考文献
「ワイドギャップ半導体パワーデバイス」,山本 秀和 (編) ,コロナ社,2015 年,p. 6 - 10 ,p. 20 - 23 .
「図解入門 よくわかる最新 半導体の基本と仕組み [第 3 版]」,西久保 靖彦 (編) ,コロナ社,2021 年,p. 249 - 253 .
日立ハイテク : 半導体 用語集,半導体の部屋,更新日時不明,https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/knowledge/semiconductor/room/words.html,2023 年 6 月 29 日閲覧
日立ハイテク : 半導体の性質,半導体の部屋,更新日時不明,https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/knowledge/semiconductor/room/about/properties.html,2023 年 8 月 20 日閲覧
東芝デバイス&ストレージ : ワイドバンドギャップ半導体とは,セミコンダクター よくあるお問い合わせ (FAQ) ,更新日時不明,https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/knowledge/faq/diode_sic-sbd/sic-sbd001.html,2023 年 8 月 20 日閲覧

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